「株主優待」とは?

 株主優待とは、企業が株主に対して配当金の他に自社製品やサービス等を提供する制度です。
 自社製品・サービスの知名度向上や株主優待に魅せられた個人株主を増やし株価や株主構成の長期安定化を図る目的もあります。配当金と違い業績にシビアに連動することなく、持ち株に比例した提供でないため特に個人株主には有利な制度です。また課税対象にならないし、内容によっては驚くほどの利回りを得ることも可能です。

 というのが、一般的な株主優待に対する認識ですが、原点に遡ると下記のような資金提供に対する還元の意味合いがあるのではないかと思います。
 知人から聞いた話ですが、彼の友達がパン屋を始めることにしたそうです。パン職人としてはかなりの腕前だったそうですが、まだ若いためパン屋を開業する資金がありませんでした。そこで彼は、親戚・知人などをかけずり回り、「年に2回自分のところで作った焼きたてパンを無料で配るから、x万円を貸してほしい」と頼み回ったそうです。もちろんその場で彼の焼いたパンを食べてもらった上で判断してもらったそうです。「こんなうまいパンが年2回もいただけるなら悪くない」ということでみんな喜んで貸してくれて、めでたくパン屋を開業することができたそうです。
 また貸した人たちも店が潰れてしまって年2回の楽しみがなくなったり、貸したお金を返してもらえなくなるのは困るということで、日常的にそのパン屋を利用したそうです。パン職人としては、資金を提供してくれるばかりか、店の常連にもなってくれて大喜びだったそうです。
 この年2回のパンの無償提供こそが、株主優待の原点ではないでしょうか。
 (注意:一般人が親戚・知人以外の不特定多数の者に対して出資を受ける行為は、出資法に違反するので犯罪となります。)


「株主優待」を受けるにはどうすればいいの?

 株主優待制度を導入している企業の株主になる、つまりその企業の株券を購入する必要があります。また購入したからといってすぐに株主優待を受けられる訳ではなく、その企業が決めた「権利確定日」に、保有している必要があります。
 企業としては「権利確定日」の株主名簿に記載されている株主に対して、保有株数に応じて商品やサービスを提供するとになります。
 逆に言えば、その「権利確定日」の翌日に株券を売却してしまっても株主名簿の記載に影響はありませんので、株主優待を受けることができます。

 具体的な流れは、以下のようになります。

 (1) 証券会社にいく、または、オンライン申込で、口座の開設を行う
  (通常、1週間から10日ほどかかります)

 (2) 口座が開設されたら、狙った企業の株の購入可能なお金を入金する
  (証券会社の手数料もプラスすること)

 (3) 入金したら狙った企業の株を購入する

 ・・権利確定日までじっと待つ
  (長いこと待つのが嫌な人は、直近に権利確定日が来る企業を狙うとよいかも)

 (4) 権利確定日になる
  (これでめでたく株主優待を受けれる権利が得られました。
  購入した株は売却してももう大丈夫です。また、次の権利確定日まで保有して受け続けるのもよいです)

 ・・・だいたい、3ケ月ほど待ちます

 (5) 優待の品物が郵送または宅配便で自宅に送られて来る

 (6) 優待ゲット